今日のふとす

モットーは「毎日開店」。

映画館

昨日、『64(ロクヨン)前編』を急に観たくなった。

久々にひとりで映画館に行きたくなったのだ。

夕飯のあとに見に行こうとしていたのだけれど、

食べ終わったら、急にめんどくさくなった。

映画館まで車で25分くらいかかるということもあり、

「今夜はもう家を出たくない気分」もじわじわとあり、

ぼくの動きをにぶらせた。

えてしてぼくにはそういうところがある。

「行ってみて、開始時間を過ぎてたら帰ってこよう」と思って出発したら、

なにごともなく15分前に映画館に着いた。

 

「レイトショー」ということばを忘れていた。

そういえば、とチケットを購入していたら、

レイトショーが1300円という事実を知って驚いた。

1000円だったころを懐かしく思いながら、

座席表を眺めていた。

大きなところでなければ、

基本一番後ろに座るのがいつものことである。

一番うしろの真ん中あたりは、すでにまんべんなく埋まっていたので、

階段が近い右側の席を選んだ。

 

じぶんの席に着くと、

一つ空けて左側に座っていたのが、

二人の年配の女性だと気づいた。

片方の女性がなかなかの勢いでおしゃべりを展開して、

もう片方の女性はあいづちや同調を繰り返していた。

どうやら同じ職場らしく、

上司や一緒に働く人に愚痴や不満があるらしい。

映画の予告が始まっても、

二人の話はとどまることをしらないといった感じで、

ぼくの五感はスクリーンでなく、

その二人の会話に奪われていた。

 本編が始まれば、きっとおしゃべりはおさまってくれるはずと願った。

そんなぼくの願いは見事に通じて、

約2時間、スクリーンに集中することができた。

 

知らないだれかと同じことをするのが映画館である。

それは日常からかけ離れた空間と時間で、

新鮮な緊張感がともなう。

それが映画をさらにおもしろくしたりもするのかはわからない。

ここのところ家で観た映画が、

いまいちじぶんに響いていない気がしていた。

その理由が、作品にあるのか、じぶんにあるのか、それとも環境なのか、

そんなことを考えていた。

なにが理由かはよくわからないけど、

映画館に行ってわかったこともある。

映画はいい、映画館もいい。

映画館の映画は、とてもいい。

それをあらためて感じることができた。

『64(ロクヨン)後編』も映画館に観に行こうと思います。