今日のふとす

モットーは「毎日開店」。

はじまりの音

昨日、友達のバンドのライブを観に行った。

去年の3月までぼくが住んでいたシェアハウスの、

同居人2人が一緒にやっている5人組のバンドだ。

いくつかのバンドが出演するライブということで、

ぼくは彼らの出番がやってくるときを外の廊下で少し待った。

しばらくして会場内に入ると、久々のライブということもあってか、

ライブハウスの醸し出す空気に高揚しているじぶんがいた。

 

いよいよ友達のバンドの演奏が始まった。

彼らは持てる限りの力を振り絞っているように見えた。

その力で、むき出しの音を奏でた。

ぼくはその音を聞きながら、髪を振り乱してドラムをたたく友達を見ながら、

「世の中に音を鳴らす人間はたくさんいる」

とふと思った。

じぶんが音を鳴らすということは、

音を鳴らさない人間じゃあないということだ。

「その音が好きだ」と言う人がひとりでもいるということは、

じぶんの鳴らす音がだれかに届くものだということだ。

「あなたの音楽が好きだ」と言う人たちがたくさんいるということは、

じぶんの音楽で生きていけるということだ。

 

世の中に音を鳴らす人間がひしめきあうなかで、

じぶんの音を鳴らし続ける先に待つ世界がある。

そのはじまりは、じぶんで音を鳴らすことなんだよね。

その音を聞く誰かがいて、じぶんがいて、

はじまりの音は次に鳴らす音につながってゆく。

 

「じぶんの音を鳴らす」という夢の中に、

たくさんの喜びと辛酸があるだろう。

それは鳴らさぬ者には味わえぬ人生の響きなのだ。