今日のふとす

モットーは「毎日開店」。

5年

あの日から5年が経った。

あの日のぼくはテレビから流れる映像をずっと見つめていた。

なにができるわけでもないのに、

何もできないじぶんに勝手に歯がゆさを感じていた。

と同時にぼくのなにかが失われていくようで、

それを埋めるかのようにじぶんにできることを考えていた。

じぶんがじぶんじゃないような、

ふわふわしたような感覚があった。

そんなことを思い出す。

 

東北の人々にとって、

非日常から日常へと生活が移り変わっても、

変わらない景色がある。

忘れられない悲しみがある。

だけど、心から笑った瞬間もあったんじゃないか。

この5年で見つけた希望もあるんじゃないか。

現地で生きる人たちと出会ったぼくだからこそ、

そんな明るい部分もちゃんと信じたいと思うのだ。

震災の被害のなかったぼくを含めた人にとっては、

すべてをわかりきることはできない。

だけど、わかったふりをする必要もないのだ。

「きっと悲しいはず」

「きっとまだ課題もあるはず」

そうかもしれない。

だけど、一人ひとりの気持ちに灯ったあたたかいものを、

「そんなのないはず」と決めつけることはできないと思う。

 

じぶんの決めつけや思い込みが少しずつ確実に、

じぶんの気持ちや関心を引き離していく。

それはある意味、仕方のないことなのかもしれない。

ぼくが書いていることも、勝手な思い込みだとも言える。

だからこそぼくはまた東北へ会いにゆく。

会いに行って、そこで暮らす人たちと、

また顔を合わせて話したいと思う。

願わくば、ぼくの知り合いもたくさん連れて東北に行きたい。

「いろいろあったけどここまで変わったんだ」と、

前向きに話してくれるだろう人たちに、

みんなで会いに行きたいと思うのだ。