今日のふとす

モットーは「毎日開店」。

石巻

今から3年くらい前、

ぼくは石巻市の住人の一人として、

バイトに明け暮れていた。

震災後のボランティアを一通り終えたあと、

「まだ何かできることがあるんじゃないか」と、

被災地で暮らすことを選んだためだった。

壊れた建物や建物すらない更地が広がるその街に、

いつの間にかぼくは慣れていた。

何かしたいという想いはあったけれど、

正直生きていくことだけで大変だった。

そんなぼくを多くの人たちが支えてくれた。

その中には家や家族を失った人たちがいた。

大事なものを流された人たちがいた。

他人の大変にかかずらわっている場合じゃないはずなのに、

よそ者のぼくが支えられていた。

 

 

去年、2年ぶりに石巻市に訪れた。

ボランティア仲間として一緒に活動したあと、

石巻が大好きで今もなお生活している仲間のみんなや、

お世話になった地元の人々との再会がそこにはあった。

帰る場所がここにもある、

あたたかく迎えてくれる人がここにもいる。

そのことがぼくはうれしかった。

 

街を見ても復興したなんてまったく言えない。

あの頃と変わらない景色もたくさんあった。

それでも前に進んでいないわけじゃない。

人々がそこで生きているということそれだけで、

前向きなことだとぼくは思うのだ。

あきらめや悲観をあじわい、

今もまだその渦中にいるかもしれないけれど、

その場所で一緒に生きることの心強さは計り知れない。

あの街にぼくの知る人たちが生きている。

その事実がこの先も、その街で生きる人に想いを馳せ、

ぼくの足を向かわせてくれるのだ。