今日のふとす

モットーは「毎日開店」。

出かけること

本屋が好きだ。

何の目的もなくふらっと寄っても、

その場にいるだけで胸が高鳴るから不思議だ。

昨夜は本屋にいながらにして、

本屋にひとりでやって来る女の子のことを考えたりしていた。

ふらっと寄った本屋で、気になる本に手を伸ばし、立ち読みをする。

思いのままに店内を散策し、

ひととおり満足したらふらりと帰る。

そんな女の子と「おれは結構気が合うような気がする!」と、

本屋で大まじめに考えていた。

なによりぼくがそういう男(ふらり本屋男)のため、

その特性をある程度理解してくれる人でなければどこかで破綻するだろう。

そんなことを悶々と考えながら、気になる本をいろいろと物色していたら、

あっという間に2時間を過ぎていた。

 

モーレツに本が読みたい衝動に駆られていたぼくは、

小説や漫画あわせて10冊近く買うと、店を後にした。

一度に読める本は1冊なのに、

勢いで大量に買ってしまう浅はかさを自覚しつつも、

「今日はなんだか買いたい気分」という訳のわからぬ言葉に身を委ねた。

今回はぼくが好きな作家さんというよりは、

その本屋がオススメしている本を中心に選んだ。

そんなふうに買うのは初めてのことだった。

 

たしかに本は好きだ。

けれど、はたして読書が趣味なのか。

昨日の話の続きにもなるけれど、

本屋に行くこと自体がぼくの趣味なのではと考えた。

本屋にいるとき、この上なく心地いいのは確かなのだ。

しかしながら、

本屋に行くことが趣味というのは一体どういうことだろう。

たとえば、「カフェめぐり」のような、

「よさげなカフェをいろいろまわったりしてます」、みたいなのが、

一般的には趣味に分類されたりする。

しかしぼくはめぐってはいない。

よさげな本屋をいろいろまわったりしてるわけじゃない。

本屋に行くこと自体が、ただ単純に心地いいのだ。

む、この「心地いい」という響きが、

ぼくの趣味を考える上では重要な気がしてきたぞ。

 

もちろんよさげなほうがいいのだけれど、

店の良し悪しはそれほど気にしない。

誰かと行くよりは、ひとりで行くほうがいい。

そのほうがいろいろ発見がある。

発見を探すためと考えると、

出会ってしまうかもしれないわくわくを胸に、

ぼくは本屋に行くのかもしれない。

何に出会ってしまうかといえば、

驚きとか、感動とか、ふらりとやってくる女の子とか、

言葉にすると恥ずかしいようなことばかりだ。

それでも、出会いたいから、

出会うかもしれないという小さな希望を握りしめて離さないから、

ぼくはこれまで本屋に向かっていたような気がしてきた。

 

それはともすると、

映画館も、講演会も、美術館も、動物園も、

どこへ行くのも同じことであるような気がしてきた。

つまり、日常のなかにある、非日常を求めて、

ぼくはいつだって出かけていたのだろう。

そこに何かある気がする。

それは確信からはほど遠く、でも当てずっぽうとは思えない、

ぼくだけが勝手に信じる感覚で、外の世界に出かけていたのだろう。

 

ぼくの趣味は出かけること。

こう書くと、すっきりとするじぶんがたしかにいる。