今日のふとす

モットーは「毎日開店」。

恵方巻き

本日は月に一回の料理教室を手伝う日だった。

今日のメインは恵方巻き。

中に入れる具材は玉子焼き、きゅうり、かにかま、

エビ、アボカド、シーチキン、たくわんの7種類だった。

そもそも恵方巻きというのは、大阪が発祥だったそうな。

だから、20年とか、もっと前には、

このあたり(中部地方)にはまったく浸透していなかったらしい。

そんなわけで徐々にその風習は全国に広まり、

今や知らない人はそんなにいない節分の食べ物となった。

その年に定められた方角を向き、ひたすら無言でまるまる一本食べ尽くす。

それが本来の食べ方だそうだが、

そんなふうに食べる人はおそらく少ないだろう。

 

高校三年のとき、

寿司屋でバイトしていたカノウくんが恵方巻きをもって登校してきた。

ぼくらはいつも無駄に朝早く登校していたので、

朝のその時間は他の生徒をみかけることがほとんどなかった。

その日もいつものように早くやってきた彼が、

「これ食べよ!」とぼくのぶんの恵方巻きも持ってきてくれた。

噂では聞いてはいたがお目にかかったことがなかったぼくは、

突然目の前に現れた恵方巻きへの驚きを隠しつつ、

その方角を向いて黙って食べるという習わしに従おうとした。

カノウ君はその年の方角を曖昧な記憶から絞り出し、

合ってるかどうかわからないままそっちを向き食べ始めた。

それに倣ってぼくも食べ始めた。

だれもいない教室で恵方巻きを食べる男がふたり。

なんともシュールな場面だけれど、

「黙って食べる」ということを知らないのか、

終始しゃべりかけてくるカノウくんのおかげで、

習わしどおりには食べれなかった。

それでもぼくの唯一の恵方巻きの思い出は、このとき作られたのだった。

 

今日の料理教室で学んだことをもとにと意気込んで、

恵方巻きを家で作ろうとは思わないけれど、

何か機会があればそうやってつくるのも、食べるのも、

誰かと一緒やイベントだったらたのしいだろうなと思う。

そして気がつけばもうすぐ2月なのだ。

1月も残すところあとわずかなのだ。

いろいろ考えさせられる恵方巻きであった。

また明日。