今日のふとす

モットーは「毎日開店」。

おしゃべり

ぼくはどちらかというと、

しゃべるのが早い気がする。

あいづちや返事やつっこみなどなど、

タイミングが大事だと思っている。

立川談志が「落語はリズムとメロディ」と話したそうだけれど、

おしゃべりには人それぞれリズムとメロディがあると思う。

それを意識している人は極めて少ないだろうし、

意識していようがいまいがどちらでもいい。

ただ、ぼくはこういうことを考えることが好きなのだ。

 

以前出会った女性は、人前でしゃべることが苦手だった。

それでも大勢の前で話さなければいけない機会が何度もあって、

彼女は声を震わせながら懸命に伝えていた。

そのしゃべりは決してうまいなんていえるものではなくて、

途切れ途切れに言葉が出てくるようなたどたどしいものだった。

それでも、その言葉は胸に刺さるかのように伝わり、深く響いた。

なぜならそこにいる大勢の聞き手が彼女の言葉を一言一句逃すまいと、

聞き取ることに必死だった。

ぼくもその一人だったし、周りにいるみんなが、

同じ想いで耳を傾けているということが自然と雰囲気で伝わってきた。

 

流暢にしゃべることや、豊富な語彙力で伝えられることを、

おしゃべりがうまいと言うのなら、

必ずしもうまい人だけが何かを伝えられるわけじゃないことをぼくは知っている。

伝えたい気持ちがあるかどうか。

すべてはそこから始まって、最後に行き着くのも、

その気持ちがあるかどうかだと思うのだ。

 

むしろ欠けているからこそ、魅力的に思えることもあるんじゃないかな。

平らよりも、でこぼこのほうが、きっとおもしろいはずなのだ。

そしてそのおもしろさがわかる人が、世の中にはいる。

そうやって、おもしろさをわかる人こそ本当におもしろい人だと思うのです。

また明日。