今日のふとす

モットーは「毎日開店」。

残るもの

ようやくこの街にも冬の寒さがやってきた。

遠くに見える山々は白く着飾り、

そこから吹き下ろす風は凍てつくように冷たい。

この寒さが続けばいずれは雪が降るときもやってくるだろう。

そういえばと、雪が降り積もった夜を思い出した。

空に浮かぶ月の光に雪が反射して夜道が明るくなる。

街灯も多くない田舎道でも明るいのは、神秘的で不思議な光景だった。

 

中学生のとき、その明るい夜道を自転車で家に帰る途中に、

排水溝の銀の部分でタイヤがすべり、2メートルほどダイブした。

両肘で滑るように着地したため、血だらけになった。

家まであと少しだったのだけれど、

あまりの痛みに声が出ず、動けず、しばらくそのまま悶絶していた。

 

 

まだ雪が残る夜の不思議な明るさの下、

ひとり痛みに耐えているじぶんの寂しさというか、情けなさというか、

そのときの感情や光景が今でも鮮明によみがえってきます。

だれが悪いわけじゃなく、

じぶんも悪いわけじゃないと思っていて、

どこにもその気持ちをぶつけるところもなく、

ただただ夜が明るい。

それはそれで不思議な思い出として、今も残っているんですよね。

 

生きているとそりゃいろいろあるけれど、

そのいろいろをぼくはこの先どれだけ覚えているんだろうか。

なんてことを考えても、考えてなくても、

残るものは残る気がします。

また明日。